2024年3月27日水曜日

紙コップでガリバーをつかまえる


 



3歳児の保育室には沢山の紙コップがあり、子どもたちはそれを積み上げたり並べたりして自由に遊んでいます。ある日のことです。Aちゃんが床に寝転がるとBちゃんとCちゃんがその周りに紙コップを並べはじめました。身体のラインにぴったりにとても上手に並べていきます。もちろん、その間Aちゃんもずっと動きません。その光景はまるで絵本「ガリバーの冒険」のよう。全部並べ終わるとAちゃんが上手にそっと立ち上がり、それはそれはきれいな人型が完成するのでした。

今回の名もなき遊びの中には
・身体のラインに沿って紙コップを並べてみようと考える豊かな感性や、それを表現する喜びが感じられました。
・人型という図形に興味を持ち、友達と一緒に考え協力したことで、完成した時の充実感を味わう姿が見られました。(Y・S)

ぴったりはまったふたり

 


園庭遊びをしていた時のことです。1歳児のM君が、玩具の大きな筒を持ち望遠鏡のようにして辺りを見渡していました。するとそこを通りかかった2歳児のH君と目が合います。視線をそらさずにじーっと見つめるM君が嬉しそうに手を振ると、それに応えるかのようにH君も近づいて行きます。最後には2人で筒に顔をぴたっとはめてのぞき合っていました。言葉はなくても目と目で感じる2人の熱い心が通じ合った瞬間でした。

今回の名もなき遊びの中には

・じっと見つめるM君に豊かな感性と表現があり、その気持ちを汲んでH君が歩み寄る姿に思考力の芽生えを感じました。

・言葉がなくても通じ合って遊んでいる姿に社会生活の関わりが身についていることを感じました。(S・N)


2024年2月9日金曜日

土と遊ぼう

 


築山に登って遊んでいたRちゃん。歩いていると足元に土の塊があることに気が付きました。足で蹴ったり手で握ってみたりすると塊が崩れてポロポロと土がたくさん出てきます。その不思議さに何度も変化を楽しんでいました。そうしているうちに、持っていた土の塊が築山の下に転がっていってしまいます。転がり始めは塊なのに、転がっているうちに崩れて下につく頃には粉々に…。またそれも面白くて下に転がしたり、投げたりと遊びを楽しんでいました。大人になると当たり前になっていることも子どもにとっては新しい発見です。その新鮮な気持ちを大切にしていきたいなと思いました。

今回の遊びの中には

遊びの中で土という自然と関わり、土の塊を潰すと壊れるということに気が付き、足で蹴ってみたり下に落としてみたりしたらどうなるのか考えるという思考力の芽生えに繋がりました。(M.S)


不思議な虹


お部屋の中で「先生みてみて、虹が出てるよぉ〜」と興奮気味のIちゃん。指差す方向を見るとドアのガラスに虹が見えました。ガラス一面に映る虹に他のお友だちも「虹だ、虹だ」と大騒ぎ!ガラスに手を伸ばし掴んでみようとする子もいます。外を覗いて「どこにもないよ!」と不思議そうな顔で見ていたH君は、お部屋の中の虹と外の空を見比べ、行ったり来たりと大忙しでした。

今回のなもなき遊びの中には

普段から自然と関わっている事により、光の反射によっておこった現象を見たことのある「虹だよ」と言葉でみんなに伝える事が出来ました。虹は外の空で見える物と思う豊かな感性を見る事が出来ました。(R・K)


2023年12月28日木曜日

小さな機織り職人


乾燥したこの季節の園庭の土はサラサラで、粒子も細かく触っていて気持ちが良いと感じるのかもしれません。Iちゃんは自分の手にちょうど良いサイズの枝をもち、土の下に枝をくぐらさます。何度か繰り返す動きは、機織りのようです。じっくり取り組んでいるのをみていると少しずつ土の波紋様ができてきました。こんなに繊細な遊びをみつける子どもの感性に感動しました。

今回の名もなき遊びの中には

土に触れて性質に気づき、身近なものを使って形をかえたり、手指を繊細に動かす巧緻性が素晴らしく思いました。美しい模様を作り、集中して取り組む姿は健康な心と体、思考力の芽生え、豊かな感性と表現をみせてくれました。(N.U)


飛び上がる草 


 

園庭の隅で両手に土を握りしめて何処かへ運ぶSくん。追ってみると伸びていた草にその土をかけていました。土がかかった草は土の重みで一度垂れ下がり、その後ビヨーンと跳ね返ります。その跳ね返り現象が面白いのか何度も繰り返し土をかけていました。草の意外な動きに夢中になるSくんでした。

今回のなもなき遊びの中には

・草に土をかけたことによって草の面白い動きに興味を持ち、自然との関わりを楽しんでいる姿が見られました。また、土を両手で掴み、手のひらや指先を使ってパラパラと落とす動きから、手先をよく使い健康な体が育まれていることを感じました。(O・M)


その日アリは思い出した。子どもに見つかったら最後だということを…【進撃の幼児】

 

「側溝に何かがいる!」と一人が言い出すとみんなで覗き込んでいた。「本当に見えているのかな?」と思ったが、子ども達は、楽しそうに、場所の取り合いをしながら覗き込んでいた。(2歳児クラス保育日誌より)